生産緑地ゼロ自治体・品川だから取り組みたい東京産野菜の導入

2018年5月8日

 「食べることは生きること」。食べることを大事にしたいから、私は食にこだわってきた。お酒も決して嫌いではないからおいしいお酒を楽しむためにも、きわめてシンプル、けれど即席じゃない、お手軽じゃない、そんな食のスタイルに心がけてきた。
 ふりかえってみると、在学中も食との関わりの深い家政学だった。その後の職場も食品関連。子育て真っ最中の頃に、品川で食の安全にこだわる生協と巡り合った。こうした出会いや活動があって、つい昨年までは、東京の生産農家が集まって発足した都市農業生産者の会「農(みのり)安心ネットワーク」の事務局という役割を果たすことに。同時に生活者ネットの環境・食部会で発言してきたわけで、どうやら私の活動の原点は「食・環境」ということになりそうだ。

 食べ物の安全を確保するために必要なこと、それはもちろん、身近な水・大気・土壌などの環境保全であり、国内自給率を高めること、そして身近で生産されたものを極力食すること。だが、実際には日本の食料自給率は40%を割り込んでいて、農業者は高齢化と後継者不足に直面している! 昨今では遺伝子組み換え操作による食材が出回るようになり、その流れはすでに日本人の主食である米・イネにも及んでいる。このような過酷な状況だからこそ、新鮮で安心な農作物の供給地として、そして、都市の緑地保全・地下水の涵養・環境教育への貢献など、多面的機能を有する都市農地の価値が見直されている。

 ところで、「農(みのり)安心ネットワーク」に集う生産者は65名。共に農法の共有や自主管理監査制度による情報公開を行ないながら、安心・新鮮、そしておいしい野菜の供給を追求し、GMOフリーゾーン(遺伝子組み換え作物は作らない安心の農地、農法を進めることを宣言し、実践する農家・耕作地)宣言を自ら行い、周辺生産者への理解をも求めてきた。食の安全はそうした「生きるための糧である食」という認識が、供給する側も、消費する側も共有できてはじめて確保できるのであり、結局、未来社会に何を手渡すか、ということなのだと思う。

 もはや希少な東京の都市農業だが、都内の小中学校全校が、都内の生産農家が作り出す農産物を給食に使用しても十分まかなえるほどに、東京の都市農業は供給主体となりうるのだということを、以前に聞いたと覚えている。そんなふうに想定すると、地産地消も十分可能となる。
 生産緑地ゼロ自治体・品川だから取り組みたい東京産野菜の導入から始め、「学校給食の安全確保」をもっと見えるものにしていく。どこの学校でも野菜が育てられていて、学校林には果樹が植えられている、ロハスな学校! というのはどうだろう。<いちかわ・かずこ>

▲「農(みのり)安心ネットワーク」の生産農家が実施している畑見学会での一コマ。
▼消費者との継続的な交流、意見交換など顔の見える関係づくりが食の安全を育む