後期高齢者医療制度(2)

2018年5月8日

知られていない新制度と自治体の責務


品川区が2〜3月に実施した5ヶ所の説明会への参加者は約200人。対象者が3万人であることを考えるとわずかでしかない。スタート直後の品川ネットの聞き取り調査では、多くの人が制度変更を知らず、区報に載った説明からは肝心な「自分の保険料はいくらなのか読み取ることができなかった」と言う。
この制度の運営は、各都道府県の市町村(東京は23区と39市町村合わせて62自治体の行政・議会の代表)によって構成する「後期高齢者医療広域連合」が担い、保険料などの基本的な内容は保険者となるここが決定する。広域連合に各自治体の意見が充分反映できるか、必要な医療を必要な高齢者が過不足なく受けられているか、保険料の負担は暮らしにどう影響するか等、単なる高齢者医療費の削減にさせないために検証することは山積している。各自治体は、この制度について十分な周知を進めるとともに、早急に説明会などの場を設定して市民の声を把握することに全力を尽くすべきだ。

欠落する社会保障全体の議論
06年の医療制度改革に対する見解に取り組んだ東京・生活者ネットは、窓口負担や保険料負担が年齢で区分される制度の問題を指摘。働き方や世帯の考え方が多様化する現状では、将来的には、個人を単位とし年齢に関わらず負担できる人が負担する保険制度の一元化を提案した経緯がある。
始まったばかりの後期高齢者医療制度に、すでに自治体議会からは先述の課題を含め多くの課題が指摘されている。問題点を早急に問い直し、高齢者に相応しい医療について患者の視点から検証することや、同時にそれらを社会保障全体の議論につなげていくことが急がれる。<いちかわ・かずこ>