建設委員会視察報告①  高松丸亀町商店街市街地再開発カを学ぶ 

2018年5月8日

市民自らの手で商店街の改革を!

10月27日より29日にかけて建設委員会で行政視察を行い、高松市、堺市、大阪市をたずねました。

高松市は香川県の県庁所在地であり、人口42万人。国の出先機関なども多く、いわゆる支店経済の都市として、また四国の玄関として発展してきました。高松市内中心部には、丸亀町商店街などを含めて8つの商店街があり、これらを総称して「高松中央商店街」と呼ばれています。このほぼ全てがアーケード商店街(総延長2.7km)で、その長さは日本一です。
中でも、丸亀町商店街は、南北に全長470mあり市内で最も大きな商店街で、400年の歴史を持ちます。
1986年の瀬戸大橋の開通によって船に依存してきた物流が一変し、大手流通チェーンによる郊外大型店立地が加速することで商店街の通行量は激減し、衰退に拍車がかかったそうです。

こうした中で、再開発事業推進の大きな推進力となったのが、地元住民中心に設立された「高松丸亀町まちづくり会社」です。
このまちづくり会社は、商店街内部の問題を話し合うだけではなく、未来を見据え商店街はどうあるべきかを考え、「人が住み、集う“まちづくり”」を戦略化し実行する・・・いわば、商店街全体をマネージメントし、まちづくりの原動力としての役割を担っています。

まちづくりの方針は、①消費者のニーズに適切に対応できるよう、商店街全体を一つのショッピングセンターとして再構築すること。②新たな業種業態の参入など商店街の新陳代謝が可能な条件を整えること。③快適な居住空間を創り居住人口を増やすことです。 そのための策として、土地の所有と利用を分離することも打ち出されています。

土地所有者が住宅兼店舗を構えて商売を行っているのが商店街旧来の形ですが、高松丸亀町商店街の場合は地権者の全員同意による定期借地権(60年契約)を導入し、出店者による共同出資会社を設立、まちづくり会社に運営受託するなどの様々な手法を導入し地区の実情に適応させる工夫がなされています。地権者とテナント、まちづくり会社が「お客様満足の向上」という同じ目標を目指していっしょに商売に取り組んでいくことが、町全体の魅力を高めていくという理念に基づいています。

初期費用については行政の支援を一部受けていますが、運営資金は自主財源で賄うよう収支計画を立てていて、利益は地元へ還元することを目的としています。
例えば、商店街内に発生した空地などを購入し、振興組合が主体となって駐車場や子どもの預かり所経営を行っています。これらの事業は順調に収益を生み出しており、その収益をまちづくりに再投資するなど、振興組合の活発な活動を支えています。

また、車を使わずに生活が出来る街を目指して、医療ゾーンなどを作ると共に、テナントなどが入る商業スペースの上に分譲住宅を建設、自転車を活用できるしくみも創り、地権者だけでなく多くの人が商店街を利用して住むことができるよう計画が進められています。

高松丸亀町商店街をA〜Gの7街区に分け、5年計画で商店街の建て替えを行います。現在は、A街区(ファッションゾーン)が完成しており、今後は、幅広い年齢層の来街客が楽しめる店舗構成を目指して他街区の再開発が進められていきます。

驚かされたのは、最初から行政に頼るのではなく、住民自らが「まちづくり」を主導し、その熱意に動かされた行政が支援を行うといった、あくまで民間主導型の計画となっていることです。おのずと身の丈にあった再開発となり、「自治とは・・・」を改めて認識させられ、参考にさせて頂くことが多々ありました。<いちかわ・かずこ>

写真上:完成したA街区の入り口 憩い空間を形成するドームがシンボル
写真下:完全無人駐輪場。歩道と自転車道の区別(自転車は中央歩行者は左右を歩くことになっている