岩手・宮城内陸地震被害・復旧を視察

2018年5月8日

「地域は地域で守る」地域の防災は市民と行政の協働で

栗原市役所には災害当時の写真が展示されていた
栗原市役所には災害当時の写真が展示されていた
建設委員会行政視察2日目、8月31日は、岩手県栗原市役所を訪ね2008年年6月14日に発生した「岩手・宮城内陸地震」の 震災後の対応についてお話を伺いました。

栗原市 は人口:77,340人、面積は804.93平方キロ(2010年4月1日現在)
2005年4月に栗原郡内10町村が合併し誕生した新しい市で、宮城県の北部西側に位置し、面積も県内最大で、約8割近くが森林や原野、田、畑で構成されています。
2008年6月14日午前8時43分頃、岩手県と宮城県との県境付近の栗駒山直下を震源とするマグニチュード7.2、震度6強の「岩手・宮城内陸地震」が発生しました。
栗原市の被災状況は、人的被害が197人(死者13人、行方不明者4人、負傷者等180人)、建物被害が1,569棟(全壊27棟、大規模半壊16棟、半壊112棟、一部損壊1,414棟)、道路の損壊が572箇所などでした。
地震の被害は、栗原市の北西部の花山地区、栗駒地区の山間2地区に集中し、大規模な地滑りや土石流の発生、山地崩壊による河道閉塞、7つの土砂ダムの発生、道路の寸断による孤立集落の発生など山間地特有の被害が多発し、山容が大きく変貌するなどのつめ跡を残しました。
被災地域が主に2地区に限られていたため、人、物などの資源が集中でき、職員の連携はもちろん、国、県、自衛隊、警察、消防、県内外からのボランティアなどの支援、協力により、現在は順調に復旧、復興に向けて進んでいるということです。

大きな災害が発生した場合、復旧までに多くの期間、人、物、金などが必要となることを再認識しました。また避難所の運営については、災害は突然発生するため、日ごろの訓練が大切であること。避難者の感染症や食中毒の予防、心のケアなどの健康管理に留意し、避難所生活が長期化した場合は、発災当初、2週間程度、それ以降など、経過日数によりニーズが変化するため、これに合った対応、支援に心がけるとともに自立支援の取り組みも大切であると感じました。また、山間部で近隣の人間関係は希薄ではなく、被害の確認をする上で地域の情報が非常に役立ったいう話が印象的でした。

政府は今後30年以内にマグニチュード7程度の地震の発生率は70%程度と予測しています。品川区の首都直下型地震による被害想定は、死者185人、全壊家屋14,678棟、消失面積2.54平方キロ、帰宅困難者157,478人、避難所生活者102,299人とされています。

建造物の耐震化などの減災対策は最優先課題ですが、旧耐震基準でつくられた住宅・建造物の危うさが問題となっており、品川区は、耐震化率62.3%の現状をこの10年間で90%に高めるとし、目標を掲げました。確かにハード面の対策は急務です。しかし、これらの施策が直ちに実行できるわけがないのも実情です。「地域は地域で守る」事が阪神淡路大震災、岩手・宮城内陸地震での一番の教訓であったことを改めて認識し、ソフト面での対策を市民参加で見直すことが急がれます。
阪神淡路大震災では、一番に救援活動に向かったのは大半が地域の人たち、ボランティアNPOの力のよっており、日頃から市民とどう連携するかは、自治体の必須課題といえるのではないでしょうか。<いちかわ・かずこ>